まだ可能性の段階としつつ、先生が教えてくれた「髄膜瘤」「水頭症」というふたつの病名。
次の診察でくわしい話を聞く前に、調べられる範囲で知っておこうとふたりでいろいろ見てみました。
自分用の整理も兼ねて、調べたことや先生から説明してもらった内容をここにまとめていきたいと思います。
◆脊髄髄膜瘤(せきずい ずいまくりゅう)
どんな病気?
おなかの中で赤ちゃんが育つ過程で、腰やおしりの上の皮膚や骨が閉じきらず、脳から続く脊髄と呼ばれる神経も開いたまま体の外に出てしまう病気。顕在性二分脊椎症や開放性二分脊椎症などとも呼ばれる。
日本での発生頻度は2000人に1人程度。
発症部位は頸椎(C1~C7)、胸椎(T1~T12)、腰椎(L1~L5)、仙椎(S1~S5)に区分され、上部であるほど障害が出る範囲も広くなりやすい。
うちの子はL5もしくはS1に病変あり(→20週のエコーでほぼ確定)
水頭症や、脳の一部が脊柱管内に下垂してしまうキアリ奇形などを併発することが多い。
原因は?
栄養面や遺伝、環境などが複雑に関与して発生。
妊娠前から葉酸(水溶性ビタミンB9)を十分に内服していると、発生の60-70%を予防できるといわれている。
症状は?
・両足の変形
・足が動きにくい
・足やお尻の感覚鈍麻
・排尿/排便障害
・水頭症を併発している場合、発達障害やてんかんが起こることも
治療は?
一般的には、生まれたらすぐに感染予防と症状悪化防止のために瘤を切除する手術を行う。
治験段階だけど胎児のうちに手術を行うケースもあり。
足の症状に対してはリハビリが中心。
内反足(足が内側を向いている。歩行に影響)がひどい場合、変形を直す手術をすることも。
排尿・排便障害に対しては、導尿や浣腸などの処置が必要。
◆水頭症(すいとうしょう)
どんな病気?
脳室やその他の頭蓋内腔になんらかの理由で大量の髄液が溜まってしまう病気。
原因は?
先天的な脳奇形や感染症など、発生時期や部位によってさまざま。くも膜下出血・脳出血などの脳血管障害や頭部外傷を原因として大人になってから発症することもある。
うちの子の場合は髄膜瘤由来(→30週のMRIでほぼ確定)
背中から髄液が漏れていることで脳がおしりのほうに引っぱられて下垂してしまったことが原因。
症状は?
・髄液が溜まることによって頭が大きくなる
・嘔吐しやすい
・頭痛
・(脳のどこを圧迫しているかによるが)知的障害、学習障害
治療は?
一般的には溜まった髄液を別の場所に逃がす「シャント手術」を行う。
早産等で体重が少ない場合はいきなりシャント手術は行わず、「リザーバー」と呼ばれるものを一時的に設置、定期的に髄液を吸引する方法を取ることもある。
症例は少ないが内視鏡手術もある。開頭手術よりも負担が少なく、シャントと違って体内に器具の留置が必要ないことがメリット。
***
調べていてやっぱり気になったのは「髄膜瘤の胎児手術」
今年の4月に日本での手術成功が発表されたばかりのとても新しい治療法で、YouTubeにアップされていたニュース動画の時点では実施例もたったの6件。全身麻酔下でおなかと子宮を切って赤ちゃんの患部を露出させ、瘤を切除してまた赤ちゃんをおなかに戻す――という内容です。
治験段階で症例も少ないからもちろん怖さもあるし、もし手術を受けるとなったら大阪大学に転院することになりそうだしと、なかなかハードルは高いですが……
出産後の手術よりも早く瘤を取ってあげられるわけだし、その手術も検討したい。
病院のほうから積極的に勧められることはないだろうけど……
「もし聞けそうな雰囲気だったら質問してみよう」という結論で話はまとまりました。
このときは、翌日以降の病院であんなにバタバタすることになるとは思ってもいませんでした……
コメント